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5.ジノエドの場合
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昨晩、エドちゃんが眠ったあとの事だ。
死神サンと2人きりになった事をいいことに、こんな事をお願いしてみた。
「なぁ死神サン、お願いがあるんだけど」
「なぁに?」
相変わらずの笑顔で問う死神サンに
「外に出たい」
そう簡潔に、お願いした。
すると驚いたのかギョッとした
死神サンは慌てて口元を尖らせる。
「駄目だよジノちゃん、僕はこれでも管理人なんだから、逃がすような真似はできないよ?」
流石に、俺の言い方が悪かった。
慌てたように早口になる死神サン。
そんな死神サンを困らせたいわけでも、逃げ出したい訳でもなくて
申し訳なさそうに苦笑いを浮かべて首を横に振ると、死神サンはよくわからなそうに首を傾げる。
「帰ってきても駄目なのか?」
「だーめっ。…何が目的かはわからないけど、キミは一応、“死んでいる”んだよ?
もう君は外の世界にはいないんだから、つまり…あー…わかるかな?」
まどろっこい説明は苦手なようで、困った表情を浮かべながらも、確かに駄目を推す。
「んーそうか、残念だけど仕方ないねぇ…、無理言って悪かったな、死神サン」
静かに肩を下ろして、でもその表情は諦めのついたように笑って返した。
「ねぇ、なんで外に出たいの?」
好奇心からか、断ったことに気を使ったのか投げられる質問。
「え?……あー…いや、さっき読んでた新聞に、デートスポット特集が書かれててよ、エドちゃんと行きてぇなぁって…」
…そう、思ってはいたんだが
いざ声に出してみると、恋する乙女みたいな願いに少し頬が赤くなるのを感じた。
「ジノちゃんは本当エドちゃんにゾッコンだねぇ〜」
ニヤニヤとちゃかす死神サンがこちらを見るのを避けるように口元を隠す
「そーいう死神サンも、首元に食われ跡付けてよく言うよな」
ふ、と息を吐きながらに
先程からチラチラと見えていたキスマークを教えてやると死神サンの表情がサァッと青ざめた。
「えっ!?嘘!?どこ!?」
「はは、気づいてなかったのかよ。無自覚も恐ろしいねぇ」
ここ、ここ、と自分の首元を代わりに指して伝える。
白い肌だから余計わかんだよな…
首元に付けられた跡が、ラレちゃんから繋がる首輪みたいで
………ああいう、自分のモノ、と見せつけられるような跡が少し羨ましい。
「エドちゃんの肌も白いよな…」
ポツリと、小さな声で呟いた。
というより、気がついたら声に出してしまっていた。
幸い死神サンには聞かれていなかったが
自分で発した言葉に自分で驚く…
…まさか。
エドちゃんだけは自分の独占欲に縛り付けないと決めていた。
今まで欲しいものは無理やり手に入れてきたけど
暴力、追い込み、薬、金、強姦
むしろまだ自分の思いすら告げていない現状に、
どれだけ大切なんだよと、ツッコミたくなる…
それでも、何故か今回だけは大切にしたかった。
死んでから気づいた感情。
………よくわからねぇ。
「ジノちゃん」
振りかけられた声に、ハッと我に返った。
弾かれたように顔をあげて
「ジノちゃんの願い叶えてあげるよ」
そう言う死神サンを見ていた。
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