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6.ジノエドの場合
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「…駄目だったんじゃねぇの?」
「駄目だよ?外に出るのはね」
いいのか?駄目なのか?
どういう意味かわからず
俺が問いかけようとした時「でも」と言う、死神サンの言葉に封じられた。
「外に出たような感覚にしてあげるよ」
にしし、と笑う死神サンは人差し指を俺に向けた。
それを魔法を使う素振りの様に、スイスイと動かしながら円を描く。
「…なにその、危ない薬みたいな効果」
「大丈夫大丈夫〜、安全だよ?まぁ、危険だったとしても君たちなら大丈夫でしょ?」
確かに
ここにいる限り、蘇生可能な
俺達はある意味不死身ではあるが…
1回死んでからの特権だがな。
「詳しく聞かせてくれ」
死神サンの顔がパッと明るくなった。
「もちろーん!単純な事だよ〜、実際に外に出るのは出来ないけど
キミを空想の外へ連れてってあげる!!」
さぁ!というように伸ばされた手に反射的に目線がいく。
ファンタジーな妖精サンが言いそうな台詞を、変質的な死神サンから発せられるとは。
クスクスと笑った後、穏やかに目を細めた
「少年時代の俺にも言ってやってくれよ、喜ぶぜ?きっと」
まだ純粋だったあの頃は、まさかこんなことになるなんて思いもしなかったのに。
あぁ、それならエドちゃんの子供時代も見てみたい。
それもまたいつか死神サンにお願いしよう。
「それなら死神サン、俺に夢を見させてくれ。エドちゃんと外でデートする夢」
「おっけー!おやすいごようだよ!でも起きてね?ちゃんと」
先程のエドちゃんとの会話をぶり返す様に、からかい笑いをかける死神サン。
「大丈夫大丈夫、またエドちゃんが不機嫌そうに起こしてくれるからねぇ。朝から天使だぜ?毎朝天国に来たのかと思…」
「ジノちゃんは地獄行きだよ?」
なんとなく、返す言葉が思いつかずに苦笑いを浮かべた。
地獄へ落ちる時はエドちゃんとがいいなぁ、なんて
やっぱり俺の脳内はエドちゃんばかりなのかもしれない。
「それじゃあ行くよー!ジノちゃん」
…その言葉が最後に聞こえた。
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