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春、早退
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保健室で目を覚ました。時計を見ると昼休みはとうに終わっている時間だった。
通常は具合の女子中高生が寝るようなところに自分が横たわっていて良いのだろうか、などとくだらないことを考えながら起き上がった。同時にベッドがギシッと呻いた。
「東先生、起きられました?」
養護教諭の、川崎、だっけ。良いお父さん、って感じの雰囲気。この人以外に男の養護教諭って会ったこと無いんだよな。偏見か?
「あ、はあ。えっと…」
状況が掴めずに言葉に詰まっていると、
「特別講習は自習になったみたいです。今戻れば半分くらいは授業出来るかもしれませんけど、養護教諭の立場からは反対させていただきます。そのうち補講でもして下さい」
言われなくても帰る、というくらいには体が重たいし気分も悪かったので大人しく従うことにした。
「病院にも行ってくださいね。念のため、早いうちに」
それなら今日行くか。
職員室では数名が心配そうに待っていた。病院へ寄って帰ることを伝えると、黒田が付き添うと言った。風邪だとするとうつしても面倒なので、断って学校を出た。
今日、何しに来たんだよ俺。
土曜日に近所の病院がやっているかどうか自信がなかったので、大きめの病院へ行くことにした。学校から一番近い病院。
歩き出してから、家の近所の病院の診療日程を携帯で検索すれば良かったことに気が付いた。
しかし、携帯に手を伸ばしはしなかった。
もう歩き出してしまったから、面倒で。それに、学校から一番近い病院というは国立大学の付属病院で。
その国立大学は、瀬戸が講師をしているところだから。
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