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倫祢を達かせようと躍起になっている間に敬典の身体も限界が近づいていた。
仰向けに寝転がった事で真っ直ぐに天を仰ぐ突端からは抑えきれない欲望が雫となって毀れ落ちる。
艶かしく微笑んだ倫祢は自らその突端に腰を沈めた。
「……ぅっ」
倫祢の全体重が一気に圧し掛かって敬典は苦しそうに吐息を漏らす。
「まだ達くなよ」
「無理……ですっ」
倫祢の中で質量を増した敬典の分身が落ち着くまで待つのは正直どっちにとっても辛い。
経験豊富な倫祢はまだ快感を逃す術を心得ている。
だが倫祢を呑み込んだ途端に大人しくなった敬典の限界はすぐそこに迫っている。
挿れられているのは倫祢の筈なのに形勢逆転だ。
「倫祢さん」
「うん?」
「痛くないですか?」
体重は軽くても人ひとりお腹の上に居座っているわけだから相当苦しい筈だ。
さすがは聖職者の卵、こんな時なのに自分よりも人の心配を優先してくれる。
「大丈夫」
敬典の手をそっと握ると温かくて、じんわりとした優しさが伝わってきた。
自分の中にある質量が少し治まってきたところで腰を少し持ち上げてゆっくり下ろす。
騎乗位は倫祢のいちばん好きな体位だ。
自分が主導権を握れるし、何より自分がいい所にピンポイントで快感を与えてやれるから。
何度か腰を上下させてみて気持ちいいところに当たるように調節する。
自分の好きなように動いて快感を満喫していると敬典に腕を掴まれた。
「倫祢さ……降りて……ヤバい」
「いいよ、中に出しちゃって」
「駄目です」
倫祢は中に出されてもノープロブレムな人なのに敬典は何故か嫌がる。
「駄目ですっ」
敬典が切なげに目を細めると同時にじんわりと温かさが広がった。
この感覚が堪らなく好きで暫く余韻を味わってから、放心している敬典の唇にキスをした。
「でもさー、本当にいいの? 後悔しない?」
前回は酔って正気を失っての行為だったが、今回は一滴も酒が入っていないから弁解の余地はゼロだ。
もう後戻りはできない。
「いいんです」
「何でー? だってさ、ずっと目指してた夢なんだろ? そう簡単に諦めちゃっていいもんなの?」
「はい」
「でもさ」
「しつこいです、倫祢さん」
怒られた。
「信仰も大事だけど、倫祢さんの事も神様と同じぐらいかもう少し余分に大事なんですよ」
「俺、神様より上?」
「ちょっとだけですよ」
子供のころからずっと敬典のいちばんは倫祢だったのだ。
「国と力と栄光は」
「永遠にあなたのもの」
かくあれかし。
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