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鼠の城(改)・3
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豪はたまに礼奈のような女と一緒に帰宅することもあった。
そんな時は玄関横の物置と化した四畳の和室に入れられこう言われる。
「大人の話をするから絶対に出てくるんじゃないぞ。」
こういう時の豪はいつもの父親ではなく、
まるで礼奈の男版のように威圧感があり
杏介は恐怖を感じた。
しかしいくら出るな…と言われても
生理現象は抑えられない。
ある夜、
いつものように言われ部屋にじっとしていた杏介は
尿意を催し、仕方なくそっと襖を引いた。
奥の布団がある部屋は襖で仕切られていたが、
その襖はもう何年も物で埋もれ開閉出来ない為
開け放たれたままだ。
和室と台所の間にもドアがあるが、
それもまた同様に物に阻まれ閉める事は出来ない。
台所の手前にあるトイレに行こうとすれば
必然的に音は耳に入ってきた。
それはまるで苦しんでいるかのような女の声。
杏介は恐る恐る声の方へと足を進めた。
目に飛び込んできたのは裸の女が
前のめりに四つん這いになり…
やはり裸の豪が覆いかぶさるように女の首元を押さえ
後ろから尻を突いている…
そんな光景だった。
目の前に突然現れた杏介の姿に、
女はそれまでとは違う悲鳴をあげ、
それを聞いた豪は目を見開き睨みつけてきた。
「…ってめぇ、ナニ出て来てんだっ!」
言って豪は女から離れ
そのままの格好で来たかと思うと
杏介の左頬を拳で張り倒した。
その衝撃で杏介の身体は
積み上げられている物の中に吹き飛び、
失禁し穿いていたものと絨毯を濡らした。
「もう!信じらんない!!アタシ帰る」
女は脱ぎ散らかした服を掻き集めるように
身繕いをし、その場を後にしようとする。
「オイ、待てって!俺まだイッてねーぞ!」
「知んね―よ、バカが!!自分でシコッてろ」
豪は下着も付けずにジーンズを履き、
ヨレヨレのTシャツを掴むと
それを着ながら女の後を追って行った。
・・・バタン。
玄関のドアが閉まる。
杏介はその場から1mmも動けずにいた。
豪が…
父親が…
礼奈と同じように自分を殴った。
口内には鉄を噛み砕いたような
刳い味が充満している。
その口の中で二つくらい何かコロコロとした
物が転がっている。
杏介はそれを舌の上に乗せて出してみた。
歯だった。
不思議とその時痛みは感じなかった。
それよりも殴られた事と
さっき見た光景…
豪の見た事のないような獰猛に屹立した陰茎と、
いつもはシャツで隠れている大きな蜘蛛が
ネズミを捕食しているタトゥーが
赤々と燃えて見えた事に恐怖を感じていた。
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