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三つ目のお題【たとえ離れても】
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『約束だよ?僕が死んでも後追ったりしないでよ?そんなの許さないからね!』
病院のベッドで君はそう言っていた………
その数日後………
君は……………
死んだ……………
その時君は何かを言おうとしていたけどその言葉は聞こえなかった………
「なんで……なんでだよ!!」
俺は君の亡骸にしがみつきながら叫んだ…………
どうして君が死ななくちゃいけなかったんだ?
どうして?
俺は君の葬式に出たあとずっと部屋にこもっていた………
君のいないこの世界なんて……
生きてる価値なんてない…………
俺はそう思って君との約束を破って死のうと思った……
でも……最後に君の部屋に行きたかった………
久しぶりに外に出て君の部屋に行った……
君の部屋は最後に君と話した時と変わっていなくて………
また泣けてきた………
なんで俺だけ置いていったんだ……
なんで…………
しゃがみこんで声を押し殺して泣いていた…………
すると………………
机の下に箱が置いてあるのを見つけた…………
気になって開けてみると…………
そこには一通の手紙が入っていた………
《今この手紙読んでるってことは僕は死んでるのかな?それとも、生きてこんな物があったんだよ?って言って笑ってるのかな?まあ?いいや!ねぇ……もしかして約束破ろうとして最後に僕の部屋を見て死のうと思ってるんじゃないよね?
そんなの許さないよ?君には僕の分まで生きて欲しいんだ………
僕は君といられて幸せだったよ?だったらさ!僕以外にもほかの誰かを幸せにしてあげてよ!僕の事は忘れてもいいしね!お願いだから幸せになってね?》
と書かれていた……
そんなこと出来るもんかと思いながらぐちゃぐちゃにしようとしてよく見るともう一通あった………
《本当はね?死にたくないよ……君とせっかく付き合えたのに……ねぇ…なんで僕が死ななくちゃいけないの?もっと君と居たかった……もっと君といろんな所に行きたかった……もっとギュって抱きしめて欲しいよ…………
怖いよ……助けてよ…………
でも……もしも死んでしまったら君は僕を追いかけて死んじゃうのかな?そうだったらなんか嬉しいな?って不謹慎かな?でもね?1枚目に書いたみたいに君には僕の分まで幸せになって欲しいんだ………お願いだから死なないでね?
おじいちゃんになって死んだら天国で僕に君の幸せだった話を聞かせて?これが僕の最後の願いだよ……》
その手紙は所々滲んでいた………
あぁ………君はそんなことを思っていたんだと……いつも笑っていたのに心の中ではそういって言っていたんだと初めて気づいた…………
その手紙を抱きしめて俺は泣き崩れた…………
なあ、俺はどうしたらいい?わかんねぇよ…………
そう思ったとき君が最後に何かを言おうとしてのか気づいた……
聞き取れなかったけど………
[生きて……幸せになって?]
って言おうとしたんだなって………
だったら俺は君の最後の願いを叶えなきゃって思った…………
俺は君の部屋を出て君のお墓に行った…………
お墓の前で……
「なあ…手紙読んだよ……これが君の最後の願いなら俺は……幸せになるよ……約束する………」
俺は泣きながら君に誓った…………
そして、もう一つ………
『たとえ離れても………この君のことは忘れないよ………』
と心の中で君に誓った……………
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