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五つ目のお題【忘れたくない】
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なんで忘れなくちゃならないんだ…………
俺……お前のこと忘れたくないのに…………
「この病気はどんどんと記憶がなくなっていく病気です。まだ、薬は無く治療ができません」
そう医者に言われたのが一週間前………
頭が痛いのに風邪じゃないみたいで……しかも、よく物や人を忘れるようになったから………
何か嫌な不安がよぎって……病院に行った……
嫌な予想は当たるもので………
治療もできない………
どんどんと記憶がなくなっていく………
聞いた途端に目の前が真っ暗になった…………
なんで、今なんだ?やっとあいつと付き合えるっていうのに………
幼馴染みで……でも、やっと1ヶ月前に恋人になれたのに………
男同士だからこれからもっといろんなことがあるよな~って笑いながら言っていたけどもうそんな笑い事じゃすまねぇよ………
忘れたくない……怖い……あいつとの楽しい記憶や喧嘩した時の悲しい記憶……
それに
あいつの笑ってる綺麗な顔……
全部全部なくなるのが怖い!!
その日の夜はずっとそんな思いで俺は泣いていた………
でも、俺はこの事はあいつには話さないと決めた…………
もしも、バレた時に怒られるんだろうなって思ったけどやっぱり心配はかけたくない………
それに、この事話したらさ絶対あいつは悩んで悩んで…………
笑顔が無くなるんじゃないかって……思って………………
明日学校に行ったときは笑顔で元気良く「おはよっ!」って声をかけようとここに決めた………
そして、もしも俺の病気がバレた時はあいつのことを傷つけるような方法で振ってやろうとも決めた………
いつかはすべての記憶が無くなってしまう俺なんかと付き合うより他の奴と幸せになって欲しいから…………
そして俺は……目を閉じて眠りについた………
でも、やっぱり…………
忘れたくねぇな………
~終~
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