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探し始めて20分。
電話をかけても全くでない大ちゃん。
まず、俺とはぐれてることに気がついてるのかな?
もし入れ違いになってたら...
そう思って、後ろも前も、もちろん左右もみて歩くけど見つかる気配がない。
夏祭りに来てはぐれるなんてありがちな事なんだから、もしはぐれたらって時の場所決めとけばよかった。
もし...誰かに捕まってたらどうしよう。
大ちゃんは子供っぽい所があるから、すぐに連れて行かれそう。
考えるだけでゾッとした。
念のために大ちゃんの家にも電話かけてみたけどやっぱり出ない。
「 どこにいるんだよ... 」
お願いだから、無事でいて。
俺の前から居なくならないで。
さっきと同様、少し走りながら前後左右を見回しつつ歩いてると、誰かに手を引っ張られてる人。
「 大ちゃん...っ! 」
間違いない、あの浴衣は大ちゃんだ。
更に人混みをかき分けさっき大ちゃんがいた場所に行くけどもうその周辺にはいなかった。
必死に大ちゃんを追いかけようとする。
前しか見てなかったから、ちっちゃい男の子に勢いよくぶつかった。
「 あぁ...っ、ごめんね、大丈夫? 」
どうしよ...、この子、泣きそうなんだけど...
今ここで男の子を置いて行ったら、俺完全に悪いやつだよね。
見捨てるわけにはいかない。男の子を泣かせないように、次は必死にお母さんを探す。
やっとお母さんが見つかった時には、さっき大ちゃんがいた場所とかけ離れた場所にいた。
これじゃあ絶対に大ちゃんは見つからない。
どうしたら見つけられる?
頭を必死にフル回転させて見つける方法を考えるけどやっぱり探すしかない。
手を引っ張られてる大ちゃんを思い浮かべる。
絶対今にも泣きそうな顔になってたに違いない。
どこにいるの、大ちゃん...
必死に走ってると出店が途切れた暗い歩道橋の下、微かに人影が見えた。
「 大ちゃん...! 」
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