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自分の気持ち…
俺は迷っているのだろうか。
覚悟を決めて来たはずだった。
でも、先生に
「教えられない」と言われた時
どこかホッとした自分がいた。
自分は知る努力を示したけど
ダメだった。
自分のせいではない。
俺は知らなくてもいいんだって
言い訳をした。
やはり自分はまだ
逃げ腰でいるみたいだ。
でも、迷っているわけではない。
知るって決めた。
ちゃんと行動すると決めた。
聞かないという選択肢は
もうないけれど
やっぱり気持ち的には
聞きたくない気持ちだってある。
その部分を
先生は見抜いたのだろう。
そして、心配してくれたんだと思う。
白くて大きな扉の前。
小さなすりガラスの窓からは
ぼんやりと中の人影が見える。
もう一度覚悟を決める。
軽く頬を叩いて気を引き締める。
ひとつ、息をついてから
静か重い扉を開いた。
扉を抜けた先には
ベッドが1つ。
その上に寝息を立てている葵がいた。
そーっと近づいて横の椅子に腰かける。
「寝てるの?葵。」
控えめな声で問うてみた。
返事はない。
もともと色白な顔だが
今日は顔色が悪いように見える。
そっと額に手を当てると熱かった。
クーラーの直下にいたために
冷たくなった俺の手が触れても
ピクリともしない。
どうやら深く眠っているようだ。
それとも、
それほどまでに体調が
悪いのだろうか。
今日はとことん
俺の覚悟が試される日だ。
勇気を出して聞くと決心を決めても
話を聞けず、
話が聞けないと逃げ腰思考が働く。
今また話を聞くことを逃すと
俺の決心は
穴だらけのジェンガのように
グラグラと揺れ出してしまう。
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