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暗闇の中を1人歩いている自分。
ふと周りを見渡すと
少し離れたところを歩く葵がいた。
大きな声で呼んでも
振り向きもせずひたすら歩く。
俺は叫びながら必死で追いかける。
でも全然追いつかないんだ。
なんだか急に不安になってきて
半泣きになりながら必死に叫ぶ。
やっと葵は足を止めて振り向いてくれる。
でもその顔は悲しそうだった。
何かを言っているけれど
俺には聞こえなくて…
葵との距離を縮めようと走ると
ふっと葵は消えてしまった。
びっくりして目を覚ます。
心臓がドキドキしている。
夢だったんだ…
横を見ると葵の姿はなく
代わりに母の姿があった。
「あら?目が覚めた?
気分はどう?」
「だいぶ良いよ。熱もさがったみたい。」
「よかった。心配したわ。
葵くん?だったかしら?
心配してずっとついてくれていた
そうよ。」
「…そっか。」
「元気になったらまた遊べばいいじゃない。
今は回復することが一番よ。」
「うん。わかってる。
でも…なんとなく話したいというか…
少しでいいから会いたい…」
さっきの夢のせいだろうか。
どうしても葵に会いたかった。
根拠のない焦燥感だけが
俺の中に渦巻いている。
葵に会いたい。
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