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あれから何日経っただろう
俺は今憂鬱な日々と戦っている
「おい、うぜえ」
蓮の部屋のベッドでうなだれている俺に向かって容赦無い言葉が降り注ぐ
でも、なんで俺がこうなっているのかには訳がある。
「会えないからってそんなうだうだしてんじゃねえよ。」
そう。先生に全然会えていないのだ
そりゃ学校のHRでは会えているけど目なんて合わない
気付かれないように俺もあんまり見ないようにしてるし、先生だって気をつけている
だけど、前みたいに空き教室でこっそり会ったり
…まあ、それは無理かもしれないけど…
でも、電話やメッセージだって来ない
「……うるせえ」
「テスト週間だからアイツも気遣ってんだろ。俺に態々連絡してお前の勉強の進み具合聞いてくるぐらいだし」
前半の言っている言葉は良かった。…でも、後半の言葉には納得できない
俺は勢いよく起き上がり眉間にシワを寄せた
「なんでさ!俺に直接聞いてこいよ!」
手元にあった枕を思いっきり殴る
スッキリした気持ちなんてまるでない
もっと深く沈んだ気持ちが俺のやる気を失くさせる
再びベッドに倒れこんだ姿を見た蓮が呆れたような溜息が聞こえた
俺から連絡しようと思った事はあったが、あの日の光景が頭をよぎってどうしても恥ずかしくて出来ないでいた
だから、ひたすら待つしかないのだ
顔を少し上げてカサカサ音がする方を見る。
勉強をしなくても赤点は免れる蓮は漫画を読み続けていて、ページをめくる音が耳に入る
俺がこんなにも悩んでいるというのに…
すると、メッセージが来た時にする電子音が鳴り響く
蓮の携帯では無いらしくページをめくる音は鳴り止まない
だからきっと先生だと思って俺はベッドから飛び起きた
直ぐさま机の上にあった携帯を手に取り画面を明るくする
そこに映し出された人物は俺を3度目の落胆へと導いた
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