アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
77
-
車のブレーキ音が聞こえ俺の目の前には真っ白な車が止まった
手動で開ける窓から覗いたのは桐島さん
笑顔で出迎えてくれる
「お疲れ!乗って乗って」
車道に回り素早く乗り込む。
「車は持ってるんですね」
泊まる所が無いと言っていた桐島さんに笑いながら告げた
「家には今帰りたくないだけなんだ」
少し曇ったその表情を見てしまえば、何かあると瞬時に分かる。
でも、もうこれ以上深く話を聞く訳にもいかない
「まあじゃあ、早速買い出ししよっか!」
コクリと無言で頷いた。
走り出す車と同時に俺はこの空気を変えようと口を再び開いた
「何を教えてくれるんですかっ?」
なるべくテンションを高く上げて聞いた
俺が出来る精一杯の気遣いだ
「オムライスにしようかな〜」
「え、難しくないですか」
「大丈夫。大丈夫。巻くだけだって」
「いや、それが難しいんですって…」
空気も段々軽くなっていき桐島さんもいつもと変わらない状態になっていって自然と笑顔が溢れてくる
「でも、アイツが好きな食べ物ベスト3には入るよ」
その言葉を聞いた瞬間俺の目はきっと輝いただろう
運転している桐島さんの方に身を乗り出した
「作りますっ!!!」
先生の為に覚えるんだから、先生の好きな物を作らないと!
そう思ったらやる気も出てきて腕を捲り上げた
「美味しいの作ってやろう!!」
「はい!!」
俺はこの桐島さんの優しい微笑みが大好きだ
吊られてしまうこの笑顔が。
それからは近所のスーパーで材料を買って先生の家に行った
何回も来た筈なのに高鳴ってしまう鼓動
部屋に漂う先生の匂いは会いたいと思わせる要因の一つだ
「陽くん!作るよ!」
呼ばれて自分が考えていた事が変態臭くて熱が一点に集中する
靴を脱いで急いで桐島さんの元へ行き、俺は料理をする為に手を洗った
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
77 / 114