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18
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放課後、俺は先生の所へ向かう
怒られるという緊張より、二人で会うという緊張の方が大きい
コンコンとノックをすれば、中から先生の声がする
ドクンと心臓が跳ねる
ドアを開き先生の顔が瞳に入る
また一つ心臓が跳ねる
俺はとことん重症らしい
「お前今日どうかしたのか?様子が変だぞ」
先生の隣の椅子に座る事を促されれば、心配げに俺の顔を覗き込む
「顔も赤いし、熱があるのか?」
赤くなって当然だろ!と言いたいがそんな勇気はない
行動を起こすと決めたのになかなか実行出来ない自分を恨む
何も答えない俺に対して何を思ったのか、俺の額と自分の額をくっ付けた
更に近くなった顔に俺はギュッと目を瞑る
「どんどん赤くなっていくじゃないか
本当に熱が…「…っ大丈夫です!」」
思いっきり肩を押して離れる
この行動は俺に対して気がないから出来る行動なんだと思えば胸が痛んだ
他の生徒にもこんな事をしてるんですか?って聞けるもんなら聞いてやりたい
「こんな事するから生徒が好きになっちゃうんですよ」
せめてもの反撃で笑いながら言ってやる
だが、その笑顔も決して自然ではないだろう
「あの場所。結構好きだったんですけど、もう行くのやめる事にしたんであの時の事は気にしないで行ってくださいね」
続けて言う台詞はさっきの俺には想像もしてなかった台詞だ
「…じゃあ、俺しんどいので帰ります」
これ以上はもう居られないと思い軽く頭を下げて出て行く
先生がどんな顔でいるのかは俺には見えない
扉を閉めた後、何も考えずに走った
下駄箱、校門、全力で走る
蓮。ごめん。
俺はやっぱり意志が弱い
頑張るって決めたのに、俺…何にも出来なかった…
気付けばあの場所へと来ていた
電車をいつ乗ったのか、いつ降りたのか
無心でいれば足がここに向かっていた
どんだけ好きなんだよ…
虚しく乾いた笑いが溢れる
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