アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
32
-
*
「なあ、蓮。好きな人いる?」
陽が上着を取りに出て行った瞬間、そう投げ掛けられる
雰囲気が少し変わった秋人が俺の顔を覗き込んだ
「何だよ急に」
「居ないの?」
「だから、何で」
「居るんだ?」
正直言ってこいつは良く分からなくて苦手だ
陽目当てかと思ったらこんな事を聞いてくる
「居ねぇよ。つか、近い」
溜息交じりに言いつつ覗き込む顔を掌で押し返す
「ふ〜ん。良い事聞いちゃった」
なぜか微笑みながら呟いている秋人を見ると、企んでいる顔にしか見えない
俺の考え過ぎなのか?
モテるかモテないかで言ったらモテる方だろう。
だから、自分に好意を向けられていたら分かる
あんな事を聞いてきた割に俺に興味が湧いている気がしない。
念の為に目は付けとくか…
「お前、何かんが…「秋人ー!!まじで助かった!」」
陽が帰ってこればこの話は中断する
蓮と秋人が笑いながら会話する姿を見ていれば、秋人と目が合う
「何だよー!そんな見られたら照れるだろ」
と笑顔で俺の肩を突っついてくる。
「馬鹿だろ、お前」
俺はその手を振り払えば陽はポカンと俺たちを見ていた
「いつの間に仲良くなったのさ」
「これのどこが仲良いんだよ」
「何でだよ!さっきまで普通に喋ってたじゃん!」
俺の腕にしがみ付き腕を振ってくる
面倒臭さくなった俺は抵抗もせずに終わるのを待っていた
すると、タイミング良くチャイムが鳴り秋人は帰って行った
疲れた後遺症で溜息が出る。
陽も席に戻って行ったのを確認し、俺は一人先程の会話を思い返していた
まあ、でも、馬鹿そうだしあんまり深く考えても意味ねぇかな?
俺は最終的にそう思いいつも通りに机に伏せた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
32 / 114