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その頃――。
お留守番のリオ王子。
ベッドに腰かけて食い入るように怪獣のアニメを見ながら過ごしていたが、大佐がドアを開けるとすぐに「ハッ」と緋色の瞳を輝かせた。
「あ、ソウゲツ!」
「いい子にしてたか? ほお、カッコいい服を着てるじゃないか?」
「うん、これタキヤが買ってきてくれたんだ。見て? ここがポケットになってるの。いろいろ入るんだよ」
王子様は大佐に駆け寄ると、戦隊ヒーローの青いトレーナーを得意そうに見せびらかした。
そのいかにも子供らしい仕草や落ちつきのない口調も、今の大佐には何とも微笑ましいものに映るのだ。
上機嫌な様子は今朝まで母親の姿を求めて騒いでいたことなどすっかり忘れているように見えたが、とりあえず説明してやろう。
「いま、君の父上と話をしてきた。安心しなさい。時期がくれば身体はすっかり元通りになるそうだ」
「カラダ......元通り?」
「朝ごはんの時、言っただろう? 本当の君は私の奥さんで、もう大人なんだって」
「んー......うん!」
「2週間程度の辛抱だからな」
「ふーん......?」
王子様はキョトンと首を傾げてしまった。
自分が変わってしまったという自覚がないのだから、まあ仕方がない。
大佐は少年の背丈に身をかがめると、しっかりと目線を合わせて言った。
「そうだな......つまり、またすぐに母上に会えるということだ」
「え、本当に?」
「ああ」
「わ! よかったあー!」
解釈を変えたその言葉には、どうやら単純に喜んでくれたようだ。
もともと人懐こい性格もあってか、躊躇なく「ポフッ」と音をたてて胸元に抱きついてくる。また少し心を許してくれたのだろうか?
一時はどうなることかとヒヤヒヤしたが、これも愛する王子様の身に起きたことなのだ。
こうして徐々に心を通わせて乗り越えていけばいい。幸い期間も決まっているのだから......。
そんな楽観的な結論に至ると、大佐は安らかな気持ちで少年の背中を抱きしめたのだった。
しかし、10才の王子様との新婚生活......。
これが一筋縄でいくワケがない。
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