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そんな王子様の正体不明な感情をよそに、大佐は壁の時計に目線を移していた。
「さて、そろそろいい時間だな。今度こそ寝ようじゃないか」
言いながら少年の亜麻色の髪に手をやった。
膝から降りるように促すつもりだろうか?
「(イヤ......あんなこと言っちゃったけど、僕やっぱりこの人といっしょがいい)」
王子様は、ギュッと目をつむった。
ここで言わなければ必ず後悔する。
勇気を出すんだ。いまこそ。
「ねえ、ソウゲツ......」
「なんだい?」
「あのね......その......いっしょに寝てくれる?」
良かった。言えた!
きっとこの人は許してくれる。
しかし喜びも束の間だった……。
「はっはっはっはっ!」
「......??」
予想もしない男の反応に拍子抜けする。
「ああ、可笑しいな......ふふふふっ」
「わ、笑うなっ!」
思わず声を荒げてしまった。
はじめに見栄をきった手前、これでも勇気を振り絞ったのだ。
こっちの気も知らずに無礼者。
言わなきゃよかった。
「やっぱりいい! おやすみ!」
鼻息を荒げて行こうとしたその時だ――。
「こーら待て。どこに行くんだ?」
耳元で嬉しそうな声がしたと思ったら、ぎゅっと身体が熱くなった。
「逃がさないぞ」
「わ……あ......!」
突然濃度を増した大佐の香りが胸の中いっぱいに広がってゆく。
窮屈なのに、フワリと頭の中がとろけた気がした。
ややあって抱き締められていることが分かったが、その頃には王子様はドキドキしてもう何も考えられなくなっていた......。
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