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王子様の予感は正しく、ほどなくして大佐は帰ってきたのだが......残念なことにその頃には少年は毛布にくるまってスヤスヤと眠りについていた。
はじめて一人で夢を見ることができたのは、こっそりと両腕に抱きしめていた大佐のナイトガウンのおかげかもしれない。
*****
屋敷のエントランス。
自動運転モードの車が静かに停車すると、運転席から颯爽と大佐が姿を現した。
手には、お土産だろうか? チョコレートの袋を下げている。
中に入ると、木製の手すりを掴んでのしのしと二階へ上がっていった。
しかしよくよく見るとその足取りはおぼつかず、途中で何度か段差につまずいてバランスをくずしていた。
本人は気づいていないのか、それを気にする様子は全くない。上気した顔は赤く、この男にしてはやけに緩んだ口元からは陽気な歌声が漏れていた。
そう。今宵の大佐は、ひと味違う。
......つまり、酔っ払っているのである。
*****
「いま帰った!」
言いながら自室のドアを開け放つ。
「リオ......!」
部屋を見回し、ベッドの上に大好物が丸くなっているのを見つけると、とたんに目の色を変えた男はネクタイをほどきながら真っ直ぐにそこへ歩み寄った。
「大胆な人だ......ベッドで待っているなんて」
今朝のやりとりなどまるで無かったかのようにそんなことを呟くと、手早く照明を落として毛布の上から少年の身体を掻き抱いた――。
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