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すると一味違う今宵の大佐は、凛々しい口元をフッと緩めた。
「今夜はやけに焦らすじゃないか。帰りが遅かったから怒ってるんだろう?」
そんなことを言われた王子様は、ますます混乱してしまった。さっきからどうも大佐と話が噛み合わない。
そもそも「ただいま」を言われた時から何かがおかしかったのだ。いつもの自分に対する態度や目つきとは明らかに違う。
それに、いきなりハダカだったし……。
もしかして!
「(僕のこと、誰かと勘違いしてるの……?)」
けれど、彼は確かに自分を「リオ」と呼んでいた。あの時、しっかりと目を見ていたはずだ。
だとしたらこの熱は、やっぱり自分に対して向けられている――?
ううん......他の誰かになんて許さない。
「(僕にじゃなきゃイヤ......!)」
そう思い、潤んだ瞳で大佐を見つめた。
すると……。
「どうしたら許してくれるのかな?」
「んひゃっ……!」
声と同時に背筋が震えた。
熱のこもった舌先が、ねっとりと白い首筋を這ってくる。
「やぁっ……くすぐったぁい」
身体をくねらせても無駄だった。
たまらずに息を漏らしたが、大佐の勢いは止まらない。
「そう、その声だ。もっと聞かせてごらん?」
大佐は甘く囁くと、王子のパジャマに手を伸ばす。
長い指先をボタンにかけると、そのまま丁寧に外していった。
「ソウゲツ……?」
首筋にもたらされる愛撫に耐えながら、王子様はその異変に気が付いた。
ボタンがまた1つ外される。
胸元がひんやりとした空気に触れていく。
「ね、ねえ……どうして脱ぐの?」
大佐はそれには答えなかった。
「ぼ、僕、もうお風呂入ったよ!」
恥ずかしくて思わず両手で顔を覆った。
すると大佐は、なんとも嬉しそうにこう言うのだ。
「いい心掛けだ」
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