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何か良い答えはないものかと悶々と考えを巡らせていると、やがてある結論に至った。
おそらくこれをつきつけられたら少年はぐうの音もでないだろう。
少し可哀想な気もするが、本当の事なのだ。
とにかく今すべきでない事だけは分かってもらおう。
「セックスは、君が『女の子』になったらしよう」
「え? 女の子......?」
思いがけない大佐の言葉に、王子様はキョトンと目を丸くした。
大佐は続ける。
「私たちが夫婦になれたのは、君が女の子になる決心をしてくれたからこそなんだ」
王子様を初めて抱いた夜は、まさにそのタイミングだった。
しかし少年は食い下がる。
「そうなの? でも、せっくすとは関係ない」
「大いにある。セックスというのは、簡単に言えば赤ちゃんを作る行為なんだ。......分かるか?」
「んー......?」
「私は男だから、相手が女の子でないと赤ちゃんはできない」
「……?」
「父上は男の人で、母上は女の人でしょう?」
「うん!」
「だから君が生まれたんだよ」
「あ......そういうことか!」
これにはさすがの少年も頷いた。
「僕たち男どうしだから、せっくすしないんだね。赤ちゃん、できないから......」
彼なりにそう解釈してくれたようだ。
少し寂しそうに目を伏せていたが、とりあえず危険な夜が回避されたので、大佐はこの場はよしとすることに決めた。
これも小さい王子様のためなのだ。
*****
少年が安らかな寝息をたてるのを確認すると、大佐はゆっくりと目を閉じた。
自分が眠るのは、この子の寝顔を見てからと決めている。
それは少年が姿を変えてしまう前からの習慣だったので、いつも通りと言えばそれまでだが、あの日以来、こうしなければならない切実な事情ができたのだ。
――目を閉じてしばらくすると、思った通り、今夜も「リオ」がやってきた。
白い服に身を包み、無邪気に微笑む「リオ」は大佐にとって「欲心」の象徴だった。
ここ数日、夜になるたび現れては目の前でくるくると服を脱ぎ、けがれひとつない身体を見せつけてくるのだ。
やがてその表情は艶を帯び、こちらが息を弾ませる頃には「リオ」は両手で身体の芯を握りしめてくれている――。
大佐は眠る王子の手を離さなかった。
・・・・・
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