アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
この想定外の誘惑
-
・・・・・
ズガーン! ズガーン! ズガッ! ズガガッ! ズガァァァン!
――とある密室の中。
その穏やかでない爆音は正午を過ぎたあたりから休む間もなく延々と鳴り続けていた。
透明の防弾ガラスが果てしなくそびえる室内にはどす黒い硝煙が立ち込め、白かったはずのコンクリートの床にはぐにゃりと曲がった金属製の破片がところ狭しと散らばっている。
ただならぬ雰囲気に見ているこちらの背筋がゾクリと凍るが......なんてことはない。
軍の一隊を統率するこの男にとってはそんな光景など日常の範疇である。
コンバットマグナムの真っ黒にすすけた薬室を満足気に見やると、大佐は訓練室を出ていった。
*****
「いよっ! お見事、お見事」
惜しみない拍手をよこして控え室で待っていたのは、彼の親友。口髭がダンディーなゲオルグ大佐だ。生粋の好色家だが仕事においてはそのバイタリティを遺憾なく発揮し、武勇を上げてきた男である。
「100体のアグレッサーをものの数分で木っ端微塵。それでもって自分は無傷ってか。ソウゲツ、お前だけは絶対に敵にまわしたくないぞ」
「それはこっちこそお断りだ。ゲオルグさんとやりあうとなったら命がいくつあっても足りないぜ」
気のおけない友人に鼻を鳴らすと大佐は蛇口の水を汗にまみれた顔に浴びせながら続ける。
「まだ当分死ぬわけにはいかないからな」
「フン、うらやましいね。シンコンさん」
ゲオルグはそう言っておどけると、魅力的な笑みを浮かべて気に入りのタバコをすすめてきた。
*****
二人がこうして顔をつき合わせる時は、いつだって女やお互いの肉体関係の話で盛り上がった。
どんなに崇高な話題から入ったとしても、どういうわけか最終的にはそこに行きついてしまうのだ。
そして例に漏れず今日もそうなった。
近ごろホットな話題といえば、もちろんコレである。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
70 / 206