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「ん......だいじょうぶ」
王子様はコクンと喉を鳴らして頷いた。
「だからガマンしないで? 僕、奥さんなんだから、ちゃんとあなたのこと満足させてあげたいの」
「満足って……」
「浮気されたらイヤだから」
「ッ……!!」
大佐は思わず吹き出してしまった。
少年の表情は真剣そのものだったが、幼い口から飛び出した何とも不釣り合いな言葉がツボに入ったのだ。
*****
「やれやれ、今度はどんな漫画の影響なんだか......」
大佐はぼやいたが、しかし今のやり取りで肩に溜まった力が抜けたのも事実で、それと同時に頭の中に滞る概念までもが軽やかに解きほぐされた気持ちになった。この子のおかげだ。
――いや違った。
「(私の『奥さん』のおかげだな)」
大佐は口角を上げると、不適な笑みを少年に向けた。
「手加減はしないぞ?」
王子様はニッコリと微笑んだ。
「だいじょうぶ。ソウゲツは優しくしてくれるって知ってるから」
「ずるい人だ」
愛し気に王子の腰を抱き寄せると大佐は耳元で囁いた。
「ベッドがいい? それともこのまま?」
「ん......このまま」
「了解……」
大佐は王子の頬に唇を寄せながら照明のリモコンに手を伸ばした。
*****
灯りを落とした部屋の中。
ささやかな風がそよぐ窓辺には外から青白い光が差し込んでいる。
あたりを覆っていたぶ厚い雲が遠ざかり、透き通った夜空に星が瞬きはじめたのだ。
キスがしだいに糖度を増して唇の触れ合う音が響く頃には、王子様のネグリジェは明らかな着崩れを起こしていた。
もともと合わないサイズを無理やり着ていたので仕方がないが、ボートネックの襟元は下にずり落ち、ほんのりと赤みをさした右肩の丸みが現れている。
もう片方が落ちるのも時間の問題だろう。
「あ……ソウ!」
王子様が声を上げた。
「そこ、は……ぁ」
大佐の指がいつの間にか少年の胸元に進んでいたのだ。
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