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銀色のシャワーからしたたるお湯にまぎれて短い水音を響かせながら、大佐は幼い体温に手を伸ばした。
もちろん、始めからこうなることを予期していた訳ではない。
無防備な人に対して、はしたないという思いがある。
それでも夢中で手にしたリオは、健気なほどにこちらの意のままになった。
触れた指先に力を込めれば、どこまでも一緒に沈んでくれるような気さえする。
それどころかおずおずとした返礼の愛撫を受けるにつれて、いよいよ今夜、自分はこの子とどうにかなるのではないかという夢想にじりじりと大脳が焦がされていった。
しかしそれもほんの一時であり、リオがよろけるようにしてこちらに倒れ込んでくると、その身体の小ささに、表向きには何事もなかったように我に返るのだった。
大丈夫だ、リオ。
欲望の塊のような男だけど、君が嫌なことはしないと決めてる......。
大佐は濡れた唇をゆっくりとほどくと、王子をもう一度鏡の方に向かせた。
「タオルの中は自分でやりなさい」
王子様は「ん……」とぼんやりした声を返すと、大人しくそれに従い、もぞもぞと石鹸をいじりはじめた。
*****
その後――。
大きな檜の湯船にゆったりとつかりながら、二人は今日の海での出来事やこの後の夕食のことなど、とりとめのないおしゃべりをしていた。
「あ。そういえば、さっき忘れちゃった」
王子様が思い出したように口を開いた。
「何を?」
「お返し」
「背中だったら、洗ってくれただろ」
「違うよ。お腹をくすぐるの忘れてたの」
大佐は「なんだ」と言ってクスクス笑う。
「そんなに根にもっていたのか。なんなら、今やったっていいんだぜ」
え、ほんとに?
王子様は、いたずらっぽく鼻を膨らませた。
大佐は両腕を風呂の淵にかけながら「いつでもどうぞ」と言わんばかりに余裕の表情でこちらを見ている。
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