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・・・・・
その後、僕たちは「10」を数えてからお風呂をあがった。
腕を触ってみると、あなたが言っていた通り肌がツルツルになっていた。
胸や足の方までしっとりして、いい感じ。
たった1回入っただけなのに温泉ってすごいなあ。
それにしても......。
「(僕、どうしてあんなコトしたんだろう......?)」
さっきの出来事が頭から離れてくれない。
確かにあの時は夢中だった。
絶対に勝ちたかったから、藁にもすがる思いだったけど......。
僕は身体を拭く手を止めると、右手の平をジッと見つめた。
「(触っちゃった......ソウゲツの)」
息を吐いた。
そのままゆっくりと指を動かしてみる。
目を閉じて、感触を思い出す。
あの時はちっとも意識してなかったし、タオルごしだったからこの目で見たわけじゃない。
だけど攻めても攻めても微動だにしないあなたの様子に「やっぱり勝てない」とがっかりしたその時、まるで力を得たかのようにそこが「グン」と膨らみだしたんだ。
ビックリした。
身体が腫れてしまったのかと思った。
だけど、あれ、違うよね......?
ソウゲツ、この指が覚えてる。
僕はきっと、すごく正直だったんだ。
素直に欲しいものに手を伸ばしたんだ。
今なら分かる。
あなたが夕べ、「僕」に触れようとしていた訳も......!
むせかえるような胸の高鳴りを感じた僕は右手をギュッと握りしめると、そのまま心臓の部分にあてがった。
それを見たあなたは、驚いたように僕の両肩を掴んでくる。
「王子様、気分が悪いのか?」
「え? ううん......」
「椅子にかけなさい。いま水を開けてやる」
「やだな、違うよ。ちょっと考え事してただけだから」
「本当に? それならいいが、ずいぶん顔が赤くなってる。のぼせたんだろう」
あなたは心配そうに僕の頬を撫でると、新しいタオルを取り出して残りの水滴を拭いてくれた。
何事もテキパキとやってしまうあなたは、すでにきちんと藍色のユカタを身に付けていた。
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