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「む......」
けたたましい野鳥の歌声に浅い眠りを覚まされた。
重い瞼をゆっくり開けると、薄いカーテンごしに穏やかな日の光が目に飛び込んでくる。
私は枕に顔をうずめたまま眉間に皺を寄せ、バルコニーにたむろしている白い鳩の群れを憎々しい気持ちで睨みつけていた。
君との時間があっという間に過ぎてしまうのを残念に思うのはいつものことだが、こと今日の無念さは何も知らなかった昨日までの比ではない。
「(ついに来たな。別れの朝が......)」
夕べ曲がりなりにも固めた決心はこうして君の無垢な寝顔を撫でると否応なしに鈍くなるのだ。
ああ、嫌だ。少しでもその瞬間を遅らせたい。あわよくばどこにも行かずに一生このベッドで暮らして欲しい。
たまらなくなった私は、気がつけばシーツごとカサカサと君の身体を掻き抱いていた。すると......。
「ん......? あっ、もうこんな時間じゃん。おはようソウゲツ」
しまった!
私の腕の中で、君は早くも嬉しそうに蠢きはじめる。
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