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現実
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耳障りな目覚まし時計のベルで、今日も不快な朝を迎える。
窓から差し込む朝日も眩しくて、
本当、最悪な目覚め。
学校に行かないと。
そう思うけど、体が動いてくれない。
昨日ごまかした倦怠感が酷くなって、息苦しさも追加されて。
もう、だめかも。
壁に背中を預け、膝を抱えると、
嫌でも絶望的な言葉が頭ををよぎる。
このまま僕、死ぬのかも。
って。
でも、それならそれでいい…なんて
寂しくもないし、
苦しくもないし、
だって、お兄ちゃん、今日も帰って来ないんだから。
あぁ、このまま僕が死んだのなら、だれが僕を見つけてくれるのかな?
いつ見つけてくれるのかな?
多分何日も、何ヶ月もそのままなんだろうね。
もちろん悲しんでくれる人なんていないし。
本当、なんでお兄ちゃん居なくなっちゃったの?
深く、大きなため息をついたとき、
玄関のチャイムがなった。
まだ朝だよ、誰?
まだ体は重いし、立つと息苦しいから、無視をしていると、
またチャイムが鳴って、「神木さん」って大声で叫ばれる。
息を整えてドアをあけると、
きっちりとしたスーツをきた知らない男の人が2人立っていた。
「君、神木 晴くんかな?」
怖い。
直感的にそう思った。
全身に悪寒が走り、汗が噴き出した。
「何か、用ですか?」
ふらつく体にムチを打って声を絞り出すと、
2人はスーツの中から小さな手帳を取り出した。
警察手帳…だ。
初めて 見た。
「神木 優。って君のお兄さんだよね?」
心臓が音をたててうずきだす。
意識だけは無くさないようにと、体を支える手に力を入れ、静かに頷くと、
2人の刑事さんは、間髪入れずに言葉を続けた。
「ちゃんと気を持って聞いてくれる?」
刑事さんがその後に続けた言葉は、
僕の想像を超えるくらい、衝撃的だった。
もちろん、僕の意識なんか簡単に吹っ飛ばせるくらい。
嘘だ。
嘘だ。
『お兄さんの遺体が発見されました』
なんて…
そんなの嘘…
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