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「……。」
…まず、整理をしよう。
……いや…そもそも何を整理したらいいのかもわからないのに整理したって仕方がない。
……考えよう。
…そう…これは一体どういう事なのだろうか…。
……いやその前に、まず言わなければならないセリフがあるだろう……。
「…ど、どちら様…で…しょうか…?」
遥歩は少し震えた声でそう発した。
そう発した相手は…見知らぬ男。
祖母の部屋の畳に寝そべっていた…この男。
…念の為に言っておくが、遥歩は本気で彼が誰なのか全くわからないでいた。
「あぁ?」
遥歩の問い掛けに対し、眉間に皺を寄せた男は、ゆっくりと身体を起こし、その場で胡座をかいた。
鋭い目付きで睨みつけてくる…そんな男の様子を見ていた遥歩は、どう考えても柄の悪いヤンキーとしか思えなかった。
思わず後退りをする。
「どちら様って…何ふざけた事言ってんだよ、お前。」
「ひっ!…い、いや…初対面…ですよね…?俺達…。」
男の威圧感に押されまくっていた遥歩は、徐々に涙声になっていった。
…え…え…??
…誰なの…誰なのこの人!?!?
…まじでわからない…もしかして、こっちにいた時の友達…?
……いやいや!!こんな目つき悪い如何にもヤンキーな友達、俺にはいない!!!
…そうだ、母さん!母さんなら、何か知ってるはずだ…!
そう思い至った遥歩は、一歩後ろに引き、祖母の部屋を出ようとした。
…が、それと同時に胡座をかいていた男がすっくと立ち上がった。
「!」
突然の行動に、遥歩は声も出ないくらいに驚いた。
立ち上がった男の容姿を、改めて見つめる。
…赤茶色の短髪。
…身長は、俺より高い。
…ガタイもいい…。
…あれ?よく見たら、こいつが来てる服…俺のじゃないか?
…紺色のナイキTシャツに、グレーのスウェットパンツ…。
…間違いない…俺の夏用の部屋着だ。
…でも、何で…?
「…。」
「……。」
表情を強張らせている遥歩の目の前に立った赤茶髪の男。
そのまま遥歩の顔をじっと見下ろす。
…な、なんだよ…近ぇよ…!
…怖ぇよ…どうしよう…!
すると、暫く黙っていた男は、少しだけ眉を下げ…ゆっくりと口を開いた。
「…ほんとに…わかんねぇの…?」
「………え…?」
さっきまでの威勢はどこへやら…。
まるで別人のような小さな声音でそう呟いた男の言葉に、遥歩は思わずきょとんとした。
…わかんねぇの…って……何…。
…ていうか…何で…そんな顔するんだ…?
訳が分からず、混乱していると…背後から奈緒子の声が聞こえた。
そして遥歩は…奈緒子の口から、信じられない言葉を耳にしたのだった……。
「あら、”虎鉄”起きてたの?ほら、うるさい奴が帰って来たわよ?」
「……。」
………………………は?
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