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……のだが…。
「ぜってーいやだッッ!!!は な せえぇぇ!!!」
「いーだだだだだ!!か、髪を!髪を引っ張るな!!」
やはり、思った通り上手くはいかず…風呂場のドアにしがみつきながら遥歩の髪を引っ張り、虎鉄は素っ裸で喚いていた。
そんな虎鉄を、遥歩も素っ裸で取り押さえ、風呂場に引き摺り込もうとする。
「さ、さっきまでいい感じに大人しく入ってくれる雰囲気だったのに…!!ちょ、まじで!まじでハゲるから!!」
「離さねぇとぶっ殺すぞ!!い、いやだ!風呂はいやだ!!」
「ぶっ殺すなんて物騒な言葉どこで覚えたのお前!」
…な、何かこれ…犬の姿だった時より風呂に入らせる難易度高くなってないか!?
…まだ噛み付かれてただけの頃の方がマシな気が…!
涙目になりながらそんな事を考えていた遥歩は、ふとある事を思い出した。
「そ、そうだ虎鉄!俺、昨日すっっごい高級なドッグフード買ってきたんだ!わかるか!?高級だぞ!?すっごい美味いドッグフードだぞ!?滅多に食えないドッグフードだぞ!?」
「っ…!」
実家に帰る前日の夜、近くのスーパーのペットコーナーに並んでいた中で、一番値段が高かったドッグフードを買った事を思い出し、少し話を盛りながら必死にそう叫んだ。
その言葉に、思いのほか反応した虎鉄は目の色を変え、ぴたりと静かになった。
「……滅多に、食えない…?」
「…そ、そうだ!滅多に食えないんだ!こんなど田舎のどこにも売ってない高級品だ!」
「…。」
すると、虎鉄は扉にしがみついていた腕の力を抜いた。
「………ろ…に…。」
「えっ?」
遥歩に背を向けながら、虎鉄は小さく何か言った。
「……風呂に…入ったら…食わせてくれんのか…?」
「…。」
…く、食らいついたぁぁあ…!
「も、もちろん!お前のために買ってきたんだから!」
「……俺の、ため…?」
「そうだともそうだとも!」
手応えを感じた遥歩は、裸の状態で腰に手を当てながらそう言った。
「……さ、さっさと…終わらせろ…!」
「…。」
そう聞いた遥歩は、何か言葉に表せない程の達成感を得ると、よしっと右手で拳を握りしめた。
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