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僕たちは全力でゲームをやるべく、先に食材調達をしに行くことにした。
ゲームにはジュースとお菓子が欠かせないし、途中で中断して買いに行くなんて嫌だからねっ!!
昨日と同じコンビニに着いた僕たちは、ポテチやらじゃがりこやらチョコやらをドサドサとかごに入れていく。
「どんだけ食うんだよお前ら」
なんてちょっと呆れたような桐谷君の声がするけど、気にしないことにした。だって、
「長い戦いになるからな…」
そうだ。腹が減っては戦は出来ぬ、というやつなのだ。相沢くんが僕の代わりに言ってくれた言葉に真顔で頷くと、藤くんがドン引きしたような顔で近づいてきた。
「お前らやめとけよ…。ば、バカだろ……」
「……?」
てっきりゲームオタクの僕らにドン引いているのかと思ったけど、どうやらそうではないらしい。藤くんの顔は明らかに何かを怖がっているようで、肩も若干震えている。
「知らないのか…?よ、夜の学校にあまり長くいちゃいけないんだぞ……」
「…どうしてですか?」
「うちの学校の初代校長の霊が…今もまだ夜中の校庭を彷徨ってるらしい…」
「…へ?」
「噂によると…校長の霊に会ったら……」
「会ったら……?」
「…………」
「…………」
「髪の毛を一本残らず全部抜かれるらしい……」
藤君は本当に怯えているかのような表情でそう言った。
…えーっと。
「そうか…校長、ハゲだったんだな…」
「俺と~那智と~紫乃の髪ちょっとずつあげたらすっげぇファンキーな頭になんね~」
謎に同情している相沢君と、三人の髪を合わせた頭を想像しているのか、ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべている高畑君。
この二人がおバカ…と言っては何だけど、ちょっとズレてるのはなんとなく分かってるけど…藤君…。
人生ゲームのときいい、今回の夜の学校のことといい、たまにすっとぼけたことを言うときがあるようだ。
一番の常識人だとは思っているけれど、それはもしかしたら危ういかもしれない。
「…ちなみにそれ、誰から聞いたんですか?」
「那智が…言ってたんだよ…。なあ?」
「あぁ…。俺の兄ちゃんの友達がな…そういう目に遭ったんだよ…」
暗い顔をして藤君に答えている相沢君の肩は震えている。よく見ると口元も若干ニヤけていた。どうやら彼が藤君に嘘を吹き込んだ張本人らしい。
こんな、よく分からない嘘をつく相沢君の気も知れないけど、藤君がそれを信じるのも、そもそも校長に毛を抜かれるのがそんなに恐ろしいことと思っているのもよく分からない。
あれだけみんな喧嘩が強いんだから…。いざというときは、校長のお化けなんかコテンパンにやってしまえるだろう。
それを藤君に伝えると、
「ば、ばか篠宮!!お化けさんはなぁ!触れないだろ?!それに、触れたとしても…」
「としても…?」
「そんな罰あたりなことしたら、もっと恐ろしい報復が待ってるに決まってる…!」
「もっと恐ろしい報復……」
藤君が考えるもっと恐ろしい報復というのが、きっととってもしょうも無いことなんだろうなと思って、思わず復唱してしまった。
「自販機で押したやつと違うのしか出てこなくなる呪いとか…」
「…………」
「買い物行列に並んでたら前の人で完売する呪いとか…」
「…うん、もういいです」
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