アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
7
-
「ん?背景とかどれにすんだ?」
「とりあえず全部白にして落書きいっぱいできるようにしよ!」
「目のデカさも輪郭も調節できるとはおそろしい…」
ポンポン画面を推していくと、スタート!と星のつきそうな声音で機械が言った。
「え、そんなに急にはじまるのか、ポーズどうするポーズ」
「うるさいなぁ藤、そんなの適当に可愛いこぶっときゃいいの」
「ちゃんとしねぇと藤だけブス顔〜」
この中で一番背の低い僕と紫乃くんが前に出て、その後ろに那智くん、またその後ろに藤くん、恭哉くん、ミチルくんの順で並んだ。
AKBでいうセンターは那智くんだ。
ーーー3、2、1、カシャ
咄嗟にピースしてしまったけど、撮れたのを見ると慣れてない感じが滲み出ていた。藤くんも僕と同じだ。
逆に紫乃くんとミチルくんは若干視線をそらしたり、わざと驚いたように軽く口を開けていたり。…なんだこの小慣れた感は。
那智くんは慣れとかいうよりはすごく楽しそうに笑っているだけで、なんか見てるだけで楽しい。
一番疑問なのが恭哉くんだ。いつもより表情は緩んでいるものの、特になんのポーズも無く表情を作るわけでもなく、カメラ目線でまっすぐ前を向いているだけだった。
「おい恭哉、笑顔笑顔〜」
そう言って横から手を伸ばして恭哉くんの頬をミチルくんが引っ張った流れで、二枚目はみんなで変顔をした。
三枚目、四枚目、五枚目と続き、最後の六枚目も呆気なく終わった。落書きスペースに移動すると、また那智くんとミチルくんの悪ノリが始まる。
「藤くんいけめぇ〜ん」
画面の中の藤くんの顔には、手書きで角やら鼻の穴やら鼻水やら、とにかくブサイクにする方向でお絵描きされていた。
呆れてもう一つの画面を見ると、紫乃くんは可愛らしく、たこやき食べたよ、と書いている。
ミチルくんと那智くんはもう、その一枚をいじるのに必死で他のものには手をつけていなかった。ギャーギャー騒いでいる間に紫乃くんが全部落書きを終わらせてくれる。
「できたー!!!」
印刷されて出てきたプリクラを取り出して、みんなで覗き込む。
「うわっ、なんか加工されすぎてて気持ち悪いな」
「俺ら元がいいからね〜、この顔を更に加工しちゃうとやり過ぎ感出ちゃうよね〜」
「だから自分で言うなって」
間違えて二人で分けるように選択してしまったから、一人二つずつ好きなのを選んで財布に入れた。
なんか、お守りみたい。
そういえば、みんなと写真撮ったこと無かったっけ。
その後はクレーンゲームをしたり、格闘ゲームをしたりして、外が暗くなり始めた頃にみんなと帰った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
72 / 102