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「ほい、じゃあいただきます~」
…え?!どこから取り出したの、それ…!
謎にテーブルの上に出されたのは重箱だった。誰も何も驚かずに、一段ずつ下ろして手を合わせて中身を食べ始めている。
中に並ぶ料理はどれも美味しそうで、これを作った人はとっても料理上手なんだと思う。
「篠宮君も好きなの食べてね~」
「え、あ、ありがとう、ございます…」
高畑君がそう言ってくれて、中に入っていた卵焼きをひとつもらった。ふわふわで甘くって、とってもおいしかった。
「…おいしい…!です…!」
「よかったよかった~いっぱい食べてね~」
…この言い方ってもしかして?
「あ、あの…この、お弁当を作ったの、た、高畑君ですか?」
「そうだよ~。今朝作ってきたの~」
なんと。素晴らしい女子力。いやこれは、母力?嫁力?
こんなにたくさんの量のお弁当を作るなんて、さぞかし大変だろうに。だって、男子高校生五人分なんだから。…それで今日、学校に来るのが遅かったのかな?
すっごくおいしかったけど、みんなのお弁当を減らしちゃうのは悪いから、コンビニで買ってきたメロンパンを鞄から取り出した。
「それで?コイツのどこがそんなに気に入ったんだよ」
「ん~、どこだろ?なんかよくわかんないけど、小動物みたいでかわいいな~って思って」
「しょ、小動物……」
「なんじゃそら。恭哉は?」
「…ポチに似てる。」
「…ぽ、ぽ、ポチ…?」
僕のどこが小動物に見えたのかは分からないけど、そんなに可愛いもんじゃ無いと思う。
どちらかというとモサくて気持ち悪い方だし。
ポチにいたっては何か分からないよ…。ペットかな……?
「ポチは恭哉が昔飼ってた犬だよ」
キョトンとしていた僕に藤谷君が教えてくれた。
犬…。だからそんなに可愛くないのに……。
「最近ちょっと暇だったから、何かおもしろくなんねえかな~と思って」
僕は芸人じゃないんだから、おもしろいことなんてできないよ…。謎に上げられたハードルに、少し不安になってしまう。
「ま、ちょっと俺らと遊んでね~」
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