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1-13 あいさつ
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「話が長くなってしまいましたね。高等部へ、ようこそ。楽しい高校生活を送ってください」
気がつくと、響会長の挨拶も終わりのほうだった。
ぼーっと彼の「黒」を見ていたから、内容は全然頭に入っていなくって。
つつつ、と僕の目に涙が流れる。
なんでかな。なんで思い出すのかな。もう終わったことなのに。思い出したくないのに。
響会長が、壇上で礼をした。
それと同時に、まわりのみんなも礼を返していたけれど、ぼーっとしていた僕はそのまま響会長を見ていた。
顔をあげた会長が、こちらに気づく。
周りのみんなは、まだ頭を下げたままだった。
あわてて礼を返そうとしたら、フと僕を小馬鹿にしたような笑みで生徒会役員の席に戻っていった。
「やっぱり胡散臭い…」
まわりの人にバレないように涙をぬぐいながらそう言ったら、「ばか!しずかに!」とのむちゃんにわき腹をつねられてまた僕は涙目になった。
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