アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1-45 記録はなくて、記憶だけ
-
たしかに、咲月さまの親衛隊に入ってゴツゴツ系の人に好かれたら元も子もない話。
…僕、響会長くらいじかじょーかも。
でも!わざわざ親衛隊に入る以上、余計な悩み事が増えることは避けたい。
「絶対この教室だって!この問題の答えはこうだから…」
「先輩、ヒントください!」
「いいよ、問題番号教えて?」
「もう少しで分かりそう!ここまで!ここまで出かかってる…!」
みんなそれぞれ仲良くなっているみたいで、とっても楽しそう。僕ものむちゃんと早く合流しなきゃ。
のむちゃんはどこをまわっているかな。そう思って、携帯をぽっけから取り出した。
ぽわりと、画面が明るくなる。僕はこの瞬間がわりと好きだったりする。
でも。
そこに表示されていたのは、未登録の番号からのメール着信。
僕は、この番号を知っていた。
「か、ずや…」
クン、と耳の奥が痛んで、周りの音がだんだんと遠くなる。
なんで…?
真実を知ったあと、あの人の連絡先はすぐに消去した。メールから着信履歴から画像から、僕はごっそり消したはずだった。
それなのに。
携帯のメモリから消えても、僕の頭の中のメモリからは消えてくれない。
電話番号も、アドレスも。すぐに思い出すことができる。もらったメールの内容でさえも。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
64 / 439