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2-6 再会
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のむちゃんが耳打ちしてきて、たしかに後ろから足音がするのに気がついた。
そういえば、一哉の足音は知らないな。おでかけするようなデートはほとんどしてもらったことなかった気がするし。
振り返ると、ユニフォーム姿の一哉がいて。やっぱり背が伸びたなあ、と。前より首がつらいなあと。
ぼんやりそんなことを思った。
「ちょっといい?」
「…いいよお。のむちゃん、ごめん先戻っててえ」
「…分かった、」
がんばって、と僕にだけ聞こえるような声で囁いたのむちゃんは、体育館を出る僕たちに手を振った。
体育館脇の渡り廊下のほうへ、無言で歩く。
ああ、ここってピアノのレッスン室に向かうまでに通る道だあ。見覚えのある場所に、ちょっとだけ心がおちつく。
立ち止まった彼と向き合うように立って、彼を見上げた。
「背、伸びたねえ」
そう言うと、一哉はあからさまにほっとした顔をした。
「相変わらずお前はちっさいな」
「僕は標準ですからあ!」
普通だ。普通に喋れている。この調子だぞ、僕。
でも、あんなにひどい捨て方をしていて、普通ってどうなんだい一哉くんよ。
とうとう僕キャラ崩壊しましたけど?
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