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2-19 まぼろし
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…そう、僕の目的はいつの間にかすりかわっていた。
優雅なお茶会スペースに入ったときに、僕はビビビと電撃にうたれたみたいに固まった。
目の先は、一台のグランドピアノ。
(あ、あ、あれはイタリア製の…?!?!)
一瞬、見間違えかと思った。
だってあのメーカーのピアノは、一年に100台もつくられないらしいし、とってもお高いらしいし。
でも、間違いない。あの4番ペダルが何よりもの証拠。
どうしてこんなところにあるんだろう。
ここにあるということは、響会長の親衛隊の誰かのものなのかなあ…
それとも学校のもの?でもそうしたら、音楽室とか講堂みたいなところに置くのが自然だよね。
つまりやっぱり私物?
でも、誰のものでも同じ。
頼み込んで頼み込んで、弾かせてもらいたい!
こんな機会、めったにないとおもうし。
そんなわけで、僕は潤ちゃんに鉛筆を借りて、めらめらとテストへの闘志を燃やした。
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