アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3-27 2回目。
-
「ねえたくみちゃん、最近上村と仲いいらしいじゃない」
「え、あの、勉強を…」
「そんなの僕だって教えられるけど?妬けるなぁー」
そういえば、上村さんが言っていた。歩先ぱいは国語がよくできるって。
でも、上村さんが僕に勉強を教えてくれたのだって僕から助けを求めたわけではなくて、わからなくて固まっているとさりげなく声をかけてくれたからで。
「なんなの、たくみちゃんって上村のことがすきなの?」
「ちが…」
「あっそう」
あっさりとそう言うと、視線をそらし続ける僕を許さないようにあごをあげられて、僕は歩先ぱいと目が合ってしまった。
「じゃあそろそろ僕のものになってよ」
「は…」
「ね、たくみちゃん」
「んん…!」
歩先ぱいの顔が近づいてきて、僕の唇をふさぐ。それだけでなく、少しの隙もあたえずに入り込んだ舌は僕の舌を絡めとった。
離れようと歩先ぱいの胸を両手で押し返しても、いとも簡単に片手でおさえこまれてしまってそうもいかない。
もう片方の手で僕の頭を引き寄せて、歩先ぱいは深く深く僕に近づいた。
「ぁ、ゆむせんぱ…」
ちゅぷちゅぷと舌を唇で吸われ、顔に熱が集まる。
沸騰した血液が全身にまわり、からだ全体があつくて仕方がない。
そんな僕をうれしそうに見つめながら、下唇を吸ったり、舌を入り込ませては口中をあらしたり。
「ゃ、…めて」
「やーだ」
キスの合間に、歩先ぱいは笑う。
酸素が足りなくて、どうやって息を吸ったらいいのかもわからなくなって、苦しさに口を開けば更に深くなる口付け。
もう許して、と思ったところで、やっと歩先ぱいが離れた。
「ごちそーさま」
「な、…なに、するんですか…」
静まりかえる室内に、息も絶え絶えの僕の声が響いた。
…室内?
「!」
振り返るとみんながみんなこっちを見て、目を丸くしていた。口が開いてる子さえいる。
「~!!」
「いいじゃん、僕ら初めてじゃないし?」
たしかに、歩先ぱいにはお風呂場でキスされたことがあるから初めてではない。
でもそれが何の関係があると言うのだろう。
「僕、ほんとのたくみちゃん知ってるもんね?僕だけ、知ってるんだよね?」
「、」
「だってこの前、」
たぶん歩先ぱいはお風呂場でのことを言おうとしている。
ー たくみちゃん、意外とやらしいんだもん。
僕は、冗談じゃない!と先ぱいの口をおさえた。
「それ言ったら、だいきらいになりますよお?」
「あは、じゃあ今はすきなんだ?」
「は?きらいがだいきらいになるんですよお?」
「え?なに?」
僕の声が小さすぎて、歩先ぱいは聞き返した。でも、繰り返してあげたりなんかしない。
「だいっきらい」
今度は歩先ぱいにしか聞こえない声で僕は呟いて、ソファを立った。涙が出そうになって、顔を伏せる。
そのまま走って、僕はお茶会室を飛び出した。
だってお茶会室にはみんないたんだよ。上村さんも、幹部のみなさんも、潤ちゃんも、3年生も、2年生も、1年生も、
響会長だって、いたんだよ。
つづく
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
148 / 439