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9章(5)
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リノルは目の前にあるローテーブル、その上に置かれている飲みかけのグラス、残ったワインの紅いしずくなどの上にあてどもなく目をさまよわせた。
その向こうの暖炉を見ると、先ほど薪を入れ過ぎたのか、勢いよく橙色の火が燃えている。
フレディの手のひらがガウンの下に入り込み、薄いパジャマの上から胸や脇腹に触れている。
胸に押し付けられた手のひらで繰り返し擦られ、硬くなってきた乳首を指の腹で探り当てていじってくる。
リノルは肩をよじらせた。
どうしていいかわからず、あげくは甘くかすれた声で、哀願するように、無意味なことをささやく。
「ねえフレディ、暖炉の火が強すぎるよ。調節しなきゃ」
逃すまいとするように、フレディの愛撫がもっと巧みになった。
「後でいいだろ」
彼は耳元で低くつぶやく。
首筋に何かされた、一瞬遅れてその感触がキスだと気付く。
「だって、暑いよ……」
リノルはそう言いながら小刻みに震えている。
この程度のことなら前にもしたじゃないかと自分に言い聞かせる。
寝ているとフレディが時々ベッドに入ってきて……そう、手を触れて……お互いそれ以上踏み込まなかっただけ……
「熱いってどこが」
フレディは脚の間に手を割り込ませてくる。
リノルは思わず狼狽した声をあげた。
「待って……!」
パジャマのズボンは履いていたが、寝るときの習慣で下着はつけていなかったのだ。
フレディもそれに気づいたらしく、耳元でくすりと笑った。
音を立ててうなじの肌を吸い、キスの痕を残しながら指でまさぐってくる。
やわらかな双つのふくらみを手の中に包み、リズムをつけて小刻みに揺すった。
敏感な部分を、想像もしたことのないやり方で巧みに弄ばれる。
腰が跳ねて、なまめかしくくねった。
すでに硬く勃ち上がったリノルの陰茎は、パジャマの薄青い布の下に、持ち主に似たほっそりしたしなやかな形をくっきりと浮き上がらせている。
フレディはじらすようにそこを指先でなぞり、それから掴んだ。
リノルは背をのけぞらせたひょうしに天井を振り仰いだ。
「フレディ、星は出てた?」
「なんだって?」
「こんな風の強い日はきっと……あ、あっ……それとも天気が悪くて……」
「俺の部屋の天窓から見える。後でな」
いつのまにかガウンが腰まで引き下ろされ、パジャマのボタンが外されて前が開いている。
フレディはあらわになった肌に触れながら、一方の手はリノルの下腹にあてたまま愛撫を続けている。
先走りで濡れた布が先端に貼りついて、朱赤に張り詰めた形がさらにくっきりとあらわになる。
自分でも驚くほど速く、熱くなり、限界がきた。リノルは焦って彼の手をつかみ、引き剝がそうとした。
「ねえ、火が強すぎるんだよ。なんとかしなきゃ」
つまらない言葉と裏腹に、切迫した喘ぎとともに絞り出される声はひどく悩ましく響く。
フレディは手を離さない。
背中に押し付けられた硬いものの感触で、彼の欲望と興奮が伝わってくる。
リノルは降参して快楽に意識を明け渡した。
閉じた目の奥で星が弾けた。
体中から力が流れ出し、リノルは荒く息を継ぎながら頽れた。
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