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悪夢
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「兄さん…? 兄さん、ほら起きて。 部屋行ける?」
完全に目を閉じ、眉間にシワを寄せる兄に声をかける。
ソファにうずくまり「ん”ーー・・・」と唸るだけで起きる気配はない。
ほら。兄さんも泥酔してるじゃん。
寝顔を見れるのは嬉しいけど 少し無防備過ぎるよ。
ここで寝られると……、俺だって色々と困る。
不純な気持ちと葛藤しながら、グチャグチャになったテーブルの上を片していく。
ずっと座っていた為、急に体を動かしたことによってアルコールが回り、徐々に 身体が浮いている様な感覚になっていく。
ヤバい…今頃になって酔ってきた。
後片付けを終え、自室のクローゼットから薄めのブランケットを引っ張り出し、兄を包み込む様に上からかけた。
3月の末頃とはいえ、深夜から朝方にかけて
大幅に冷え込む日も多い。
未だ身体の熱がさめきっていないのか、兄は怪訝な顔をしてモゾモゾと体を動かし、自らブランケットを剥いで、ソファの傍に落とした。
偶然にめくれた服の裾から、白い腹が覗く。
そっと手を伸ばし、うっすらと浮き出た筋に沿って、
震える指先で優しくなぞった。
触れる面積が広くなるにつれて、その圧が
少しずつ芯を持って強くなっていく。
自分の奥底にしまっていたドス黒い欲が
自ら鍵を壊し、姿を滲ませた。
ああ、ほら。
もう
止められない。
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