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悪夢〔6〕*
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「何、言って…… 」
いまいち話を飲み込めていない唖然とする兄を見つめながら、滑らかな肌にぴったりと張り付くその下着ごと灰色のスウェットをずり下ろした。
「やっ、やめろ! っ嫌だ! 」
容赦無く蹴りつけてくる脚をはらい、無理やり腰を密着させ、自身の熱い昂ぶりを布越しにぐっと押し付ける。
その体が少し力み、兄の抵抗がピタリと止んだ。
「な、んで…… お前、彼女、居るって…」
「居ない。 居ないよそんなの。
もうずっと、恋人なんてつくってない…。
今までずっと、
兄さんだけを想って生きてきたんだ。」
そう言って、今にもはち切れそうな自身の陽物を下着からとりだし、大量に溢れ出る先ばしりを自分の指に絡めつけた。兄の顔が青ざめていく。
「ひっ、やだ… 嫌、 やめっ…」
「大丈夫! まだ入れない。
ちゃんと… ちゃんと馴らすから。」
「ッざけんな…。 何も大丈夫じゃねーよ! …クソッ 」
静止していた脚が再び暴れ出す。
感覚が覚醒した兄の蹴りはとても強烈だ。
なんとか片方の足首を掴み上げ、もう一方の蹴りを食らいながら、十分に濡れた中指を 硬く閉じた小さな窄みに当て、少しだけ力を込めてゆっくりと中に押し込んだ。
「痛ッ… 痛てーよ! この野郎。早くっ 、抜け!」
一時の間を置いてまた蹴りを繰り出す1本の脚を、体を使ってソファの背で板挟みにし、動きを封じた。
「お願い… 頼むから暴れないで。
兄さんを、傷つけたくない…。」
「……お前、 言ってる事とやってる事が…
全然合ってねーよ…… 」
どこか諦めたような悲しげな表情を見て、
心がヒリヒリと傷んだ。
「何で」「どうして」「痛い」を繰り返す兄に、ただ
ひと言「好きだ」と告げ続ける事しか出来なかった。
ギチギチに締め付けられていた指を3本引き抜き、それとは比較出来ないほどの体積を持った自身を、まだ十分に解れていない小さな入り口に当てがった。
それが何か判ったのか、
兄の体が小さくビクつく。
「ぃま、なら…… 」
微かに聞こえる声に動きを止め、耳を澄ました。
「今なら、今なら許せるからっ… 、っ…
これ以上はっ や、やめっ…」
兄が、嗚咽を漏らしながら懸命に言葉を絞り出した。
この日…
産まれて初めて兄の涙を見た。
両親の葬式でも決して涙を流さなかったこの人を、
俺が泣かせた………。
親指の腹で丁寧に涙を拭い、そのまま優しくキスをする。
何の抵抗も示さず、素直に受け入れる兄…
でも、
もう手遅れだ。
ここで止めても、激高しやすくプライドも高い兄は
きっと自分を許しはしない。
もう戻れないんだ。
もう…
「もう戻れないんだよ。兄さん…」
歯を食いしばりながら、自分を兄に捻じ込んでいく。
声になり損ねた兄の叫びが、
広いリビングにこだました。
今日は、
人生で一番幸せで
一番最悪な
俺の二十歳の誕生日だ。
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