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春
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「航の…兄貴?」
「そうそう」
「お前に兄貴なんていたっけ」
「いるよー、葵に言ってなかったっけ?」
「初耳だな」
航に兄がいたとは…
いつも一緒にいるのに知らなかったとは僕自身もびっくりだ
「ちなみに一昨年まで俺たちと同じ高校にいた」
「えっ」
「俺と葵の先輩だったってことだよ」
「じゃあ僕たちが1年生だった時に、航の兄貴は3年生だったってこと?」
「そうなるな」
だったら尚更知っていてもおかしくないはずなんだけどな…
でも、もし知ったのが1年生の終わり頃だったとしたら…
葵はそれ以上考えるのをやめ、航の話を聞くことに専念した。
「兄貴は1年間イギリスにいてな」
「イギリス!?」
「3年生の終わり、大学進学も決まってた矢先に、いきなり親戚がいるイギリスに行きたいとか言い出してよ」
「それで…どうなったんだ?」
「親も担任も猛反対だったよ、せっかく大学も決まったのにな」
「それはそうなるよな…」
「まあでも、兄貴が譲らなくて、結果父さんも母さんも折れて、1年間英語の勉強的なノリでイギリスに行ってたわけだよ」
「そうなのか…」
航は「そのせいで家の中はピリピリしてて本当に最悪だった」なんて続けたけど、
航の兄貴ってすごい奴なんだと思う
親に反対されても自分のしたいことを信じて、戦って
…こんなこと言ったら航に怒られそうだから言わないけど
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