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三十路が走った末路
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曲がっていった路地に着き、足を止めると、ちょうど男も立ち止まっていた。
この距離なら静かに歩けばいけるか?
なんだか二時間サスペンスの主人公にでもなった気分だ。
いい歳したおっさんがなにやってんだか…。
心の中でツッコミを入れると更に虚しさが込み上げてきた。
それを振り切るようにひったくり犯のことを考える。
さっきからずっと同じ所で立ち止まっている。
なにしてんだ?
暫くその場で観察していると、男が歩き出した。
それと同時に小さい、人の様なものがしゃがみこむように座っていた。
「嘘だろっ」
慌ててまたひったくり犯を追いかける。
あの走りといい、どう見ても常習犯。案の定近付いていけば、さっきとは違う老婆がそこにいた。
くそっやられた!
路地を抜けて辺りを見渡すと、のんびりと歩いているひったくり犯を見つけた。
細心の注意を払って近付いていく。
いける!
そう思った俺は、全体重をかけて男の背後に思い切りのしかかる
「このひったくり!!!」
男の腰あたりに手を回して、ぎゅっと力を入れる。
「君が、ひったくりだって、おれ、みてた、からなっ!」
「はっ?」
男はバタバタと動いて、どうにか俺の手を外そうとしてくる。
クッ……強い…。
手を巻き付けて、逃げられない様にしたはいいものの、この後を何も考えていなかった…
案の定、力負けした俺は、抱きついていた両腕を逆に掴まれて、なんともかっこ悪い状態になった
ひったくりと向かい合う形で対峙する。
殺されたりしねぇよな……?
なんて嫌な考えが脳裏をよぎった
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