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「私はね、八嶋くん、今 自分が怖いんだ」
「怖い、、、すか?」
「そう、」
あぁ、どうしてゆきの友人の彼に話そうとしているのだろう
でも、口が止まらない…
勝手に動いてしまう
「いつかゆきを離してあげられなくなってしまうのではないかと、私の傍から離れていかないように
恋愛感情ではない、と思う、、
私達には名前の付いている関係がどうもしっくりこないのだ、、、でもそれと同じか、もしくはそれ以上に大切に思っている筈なのに」
そして、そんなゆきをいつか自分の中に閉じ込めてしまわないか
離れていかないように縛り付けて閉じ込めてしまうのではないか
そんな事を考えている自分がとても恐ろしい
「んー……俺は、やっぱり頭が悪いから難しいことはよくわからないっす
でも、ゆきも部長もお互いを大切に思ってる…
それならそれでいいんじゃないかと俺は思うっす
別に関係に名前がなくたっていいじゃないすか!
部長はゆきが大切なんすよね?だったらそれでいいと思うっすよ」
「……そうなのかもしれない、、」
彼に明るくあっけらかんと言い放たれてしまうと時々うじうじしている自分が馬鹿らしくなってくる時がある、
「私はゆきとの関係に名前を気付かないうちに探していたのかもしれない、
でも少し、難しく考え過ぎていたみたいだ」
「そーっすよ、部長
名前のついた関係の中にも名前のついてないそれぞれの個性があるんすから」
関係に名前は必要ない、
それに名前のついた関係であってもそれぞれ一つずつ個性がある
その個性に名前は無い……か、、、
この子は本当にたまに凄くいい事を言う…
「それに!
ゆきが大切ななら離さなきゃいいじゃないすか
たとえ恋愛感情じゃなくても大切でそばにいて欲しいなら素直にそう言えばいいんすよ
もちろん束縛とかは良くないっすけど、存在としてそばに居てくれってのは逆に嬉しいもんじゃないすかね?」
素直に……
それでゆきは俺の傍から離れないでいてくれるのだろうか、
その言葉をゆきも喜んでくれるのだろうか
それは私にも八嶋にもわからない
だから、
「明日はちょうど休みだし、少しゆきとちゃんと話をしてみる事にするよ」
俺とゆきはちゃんと目的がある会話をした事が無い、
「うっす、それがいいと思うっす」
「本当にありがとうね、八嶋くん…」
案外彼に話して良かったのかもしれない
ゆきの性格をよく分かっているからこそ、あそこまであっけらかんと言えるのだろう
それからは八嶋が帰宅して
ゆきをベッドまで抱っこして運び、俺も一緒に眠ってしまった
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