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豊富悠也 No.24
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黙りこくった悠也に東は一つため息をつくと、カバンから黒縁の眼鏡を取り出して掛け、悠也に答案を返した。
「……よし、復習するぞ」
「え?」
突然言い渡された東の言葉に、悠也は聞き返した。
「予習してこんな点をとる奴は居ないはずだ。俺ともう一回、この問題を復習して、このテストの問題を完璧にする。いいな?」
「う、うん……」
勢いに流され、思わず頷いてしまったが、それは東と共に勉強をするということだ。
強姦されて以来、一度も一緒に勉強などしていなかったが、いや、それは悠也がそれを避けていたせいだ。
勉強をしている途中で押し倒された悠也は、それがきっかけで東と肩を並べて勉強するのがトラウマになってしまった。
それで今まで、東に勉強を見てもらうことをやめてしまったのである。
しかしその東の勉強の指導を、今またやるというのだ。
悠也は妙に緊張してしまい、東の隣でビクビクしてしまっている。
「───って、おい。悠也、聞いてんのか?」
「………へ?あ、うん、ごめん。えっと……、どこまでやったっけ?」
いつも通りに解説してくれる東の声も耳に入ってこない。
悠也が慌ててノートのほうへ目をやると、東はため息をついた。
「ちゃんと集中しろ、教えてやってんだから」
「……教えてなんて、言ってねーよ」
むっとして言い返すと、東は言い詰まったように一瞬黙ってしまったが、すぐまた悠也のノートのほうへ目をやった。
「……いいから、手ぇ動かせ」
「………………」
(まただ…)
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