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豊富悠也 No.26
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「え?」
東を残したまま部屋を飛び出し、悠也が向かった先は友人の千彰の部屋だった。
たった今告げられた「永瀬が可愛そう」という千彰の言葉に、悠也は固まった。
東が可愛そう……?
どういう面を見てそう思うのだろうか………?
「だって、勇気出して『好き』って言ったら、曖昧に『嫌じゃない』なんて言われたんだろ?告白した側としては、あんまいい答えじゃねーよなぁ」
「で、でも嬉しそうな顔した……らしいしっ」
「えー?俺だったら、嫌だな〜。そりゃ、言われた直後は良いけど、その後ずっと何も音沙汰無しってもどかしい感じしねぇ?」
「もど、かしい……?」
千彰の言葉も最もだった。
確かに、東に抱かれた時も一回目は無理矢理だった。強姦同然な行為だった。
しかし、二度目の時はどうだろう。
あの時は悠也自身も止められた状態だったはず。
なのに悠也はなぜか抵抗出来なかった、いや、しなかったのだ。
それに気付いた東は行為を止めることなく、悠也を抱いた。そして、勇気を出して告白した。
ということは、東から見れば悠也は東の想いに了承し、全てを受け入れたということになる。
それなのに、今悠也は東を警戒し、避けるような態度をとっている。
それで東も悠也との接し方が解らなくなってしまい、今みたいな話しづらい空気になっているのだろう。
これで辻褄が合った。
「だからさ、脈ありなのか無しなのか、はっきりさせたほうがいいんだって。付き合うのか、そういうのは無理なのか、どっちか」
「ど、どっちかじゃないと駄目か……?」
出来れば、考えるような面倒くさい事はしたくない。
だが、千彰は厳しく言い切った。
「駄目に決まってる。お前だって、中途半端な答えは好きじゃないだろー?」
「うーん……、まぁ………」
確かに、これだとクイズの答えが分からないままの子供の気分だ。
すると、千彰に貰った菓子の袋を取り上げられてしまった。
「相談って、これで終わり?とりあえずちゃんと返事してやれよー、って言っとけ」
「……うん、分かった。あんがと」
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