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豊富悠也 No.28
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「待って、待てよ永瀬!」
悠也は寮の廊下を走り、やっとのことで寮の玄関を抜ける東の背中を見つけ、急ぎ足で歩く東に声を掛けながら追いかける。
しかし東はそのスピードを落とすことなく、歩き続ける。悠也は必死になって東のあとを追いかけた。
「ちょ、永瀬…、止まれ、止まれって!……待てってばッ!」
一際大きな声で呼び止めると、やっと東の足が止まった。
気付くと東と悠也は、人気のない校舎裏にたたずんでいた。
「永瀬…」
荒い息を沈めようとしていると、東は振り返らずに悠也へ問う。
「何やってんだよ…」
「え?」
「何でアイツのとこなんかに居るんだよッ!」
東の怒鳴るような声に、悠也は肩を震わせた。
その瞬間、東は悠也の手首を強く摑み、校舎の壁へ押さえつけた。
「……っ!ち、違くて……、その……」
「何が違うんだよ!?」
説明しようとも、口を開けば怒鳴られる。
悠也はこんなに声を荒げる東を初めて見た。
「だから……、千彰のことは誤解で……っ」
「誤解?じゃあ何でお前の上にアイツが乗っかってんだよ」
「それは!千彰がいきなり倒れてきて…」
「嘘つけよ、ホントは押し倒されたんじゃねーのか?」
「……っ」
ああ言えばこう言う、全く悠也の意見を聞こうとしない東に、悠也は苛立った。
「何でお前にそんなこと言われなきゃならねーんだよ!千彰とはただふざけてただけだし、お前には関係ねーだろうがッ」
「……関係ある」
「ねーよ!千彰にもいい迷惑だよ!後で謝んないといけねーじゃん」
「関係あるって」
「ねーっつってんだろ!?」
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