アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
豊富悠也 No.39
-
「うわ、また居るよ」
悠也が声を上げると、隣に居た東も振り向く。
校門の前に居るのはあの不良達だ。
悠也に謝罪したにもかかわらず、あの不良達は懲りずに悠也を狙って校門前で待ち伏せしている。
そのせいで、悠也は一向に学校の敷地内から出られない日々を送っていた。
「それぐらい恨まれてんだろ。気にしたら負けだと思っとけばいい」
「分かってるって」
不良達は敷地内にいる悠也を見つけると柵を叩き、声をわめき散らしてくるが、なぜか悠也の近くに東が居る時だけは少しおとなしい。
それを利用して悠也は東と共にいる時間が増えた。
あの日から悠也と東の話しづらいという空気はなくなった。
悠也自身、まだ二人きりの状況に慣れたわけではなかったが、東の頼み通り、東のことを信用しようと決めたのだ。
そして、ついでに下の名前で呼ぶことにも協力している。
「ほら、早く行くぞ」
駆けつけた直樹によって、恨めしげに悠也を睨みながら解散していく不良達を悠也が呆然と見送っていると、既に歩き始めた東から声を掛けられる。
「あ、待てよ、東!」
思わず口から出たその名に、東は蕩けるような微笑みで悠也を待ってくれた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
92 / 301