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如月真 No.3
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チラリとこちらを見る翔太を、真はギロリという効果音が付きそうな横目で返した。
「ちょ……、睨まなくてもいいじゃん」
「別に、睨んでません」
そう、真は睨んでない。流し目をしただけなのだ。
ただ、生まれつきの悪い目つきのせいで、普段通りでも怒っていると勘違いされやすい。
だから、小学生の頃から怯えられ、今まで友達はほとんどできたことがない。
そのことが、真の悩みの一つだった。
別に一人でも寂しいと思ったことはあまりないし、特に激しく友達が欲しいわけでもなかったから、このままで良いと思っていた。
だが、よりにもよって、自分がこういう人種の人間に好かれるとは────。
浜島高等学校、三年・鵺野翔太。
ズボンのポケットからは小さな鎖がジャラジャラと音を鳴らし、軽く染めた肩までかかる長髪をハーフアップに纏めた、外見は立派な不良である。
そんな校則破りまくりの常習犯が、なぜ生徒会に加入しているかというと、答えは簡単である。
翔太は、鵺野グループという大きな会社の御曹司だ。
鵺野グループは洋服や自動車、食品や航空会社など、様々な企業に手を伸ばしている。
そのため、今や名は世に知られ、鵺野グループを知らない者などいないほどになっていた。
そして、この浜島高校の理事長は鵺野真佐古(ぬえのまさこ)といい、翔太の伯母に当たる。
そのため本人が何も言わなくても、教師や生徒は翔太の悪行を見逃し、翔太もそれに応じてコネを使い、成績のために生徒会へと入ったのだ。
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