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本田さん
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「あっ、本田さん」
「あ、高嶋くん。なぁに?」
一日目が無事に終わり、帰ろうとしていたときに、同じく帰ろうとしていた本田さんを見つけた。
軽く足を速めて駆け寄る。
「…あの、一緒に帰っても…」
「いいよ、同じ会社の仲間なんだから。」
「…ありがとうございます!」
思えば部署が違うのに、知り合いでもないのに、馴れ馴れしすぎた…かな。
それでも本田さんはあのかっこいい笑顔で了承してくれた。
自動ドアをくぐり、前を歩く細身の男性の背中を眺める。
やっぱり、なぜか分からないけど、知らないけど、懐かしい。
そんなことを考えていると、背中がくるりと向こうを向いた。
「高嶋くん。車で来てる?」
「はい、本田さんは?」
「俺ね、歩き。」
「の、乗っていきませんか?」
「どっち方面?」
「あの、駅の方で…」
「え、一緒」
「是非、乗ってください。俺、本田さんとお話してみたい…です」
「…図々しいけど、お願いしちゃおうかな」
軽く微笑むのさえかっこいい。
男として、かっこいいしどこか不思議な雰囲気が興味をそそる。
俺はきっとこの人に、人間として惹かれている。
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