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見惚れてます?いいえ
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「おい、高嶋。おいってば。」
「え?!な、なに中森?」
社員食堂、略して社食で昼にカツ丼食べてました。
存在を認知していなかった男が突然肩を叩いてきて、肩が跳ね上がる。
中森洋輔、一つ年が上の同期。
黒髪で銀フレームの眼鏡をかけていて、仕事ができそうな顔をしている。
実際できる、らしい。
「…どこ見てんの?」
「え?どこって…」
特に何も、と喉まで出かかった言葉が消えた。
ぼーっとしていた俺の視線の先に、打ち合わせをする、企画。
本田さん。
「疲れてんの?大丈夫か?」
端正な顔立ちのキリッとした眉を、八の字にした顔を見上げて首を振る。
「あの、本田さんが…」
「本田さんがどうかしたのか?」
ああ、そういえば中森は企画の人間だ。
微かに呟いた、意味のない言葉を拾われて、話を続けるしかなくなった。
「呑みに誘ってもらったんだけど、まだ…」
俺はこんなにも歯切れの悪い喋り方をしていたっけな。
お偉いらしき人と意見交換をする本田さんは、本当に仕事ができて、ああ俺も将来あんなふうになりたいなー、なんて。
呑みに行ったら、勉強できるだろうし。
「本田さん、最近新しい企画の責任者務めることになって、これが責任重大だから忙しいんだろうな。ま、そのうち行けるさ。」
「ありがと、中森…」
肩をぽんと叩いて励ましてくれる中森に礼を言うと、じゃあ俺も仕事があるから、と去ってしまった。
…あれ、あいつ社食何しに来たんだ?
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