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呑みに行きませんか
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日が高く昇るようになり、気温が高くなった夏のある日。
社食ではなく、コンビニで買ったサンドイッチを持って、風通しの良い近くの公園へ。
いつもより少しだけ長い昼休みを、木陰のベンチで満喫していた。
「あっつー…」
夏真っ盛りでもないのに、青一色に塗りつぶされた空から降る日差しはなかなかのものだ。
コンビニの袋を漁ると、買ったつもりのジュースがない。
…あ、ぬるくなると嫌だから買わなかったんだっけ。
確か公園の入り口に自動販売機があったような。
日なたを避け、木陰を移動する。
「…あれ…本田さん?」
自動販売機の前に立つ先客は、疲れた顔をして飲み物を選んでいた。
目の下のクマが、寝不足を暗示している。
「…ん、ああ。高嶋くん。」
「こんにちは、お疲れですか?」
取り出し口から缶コーヒーを掴んだ後、場所を開けてくれたので、冷たいコーラを選んだ。
ガラン。
小気味良い音が鳴り、冷えたコーラが出てくる。
「うん、今丁度企画が上がったとこ。」
「それはお疲れ様です、今日は身体を休めてくださいね」
「ありがと、でも久しぶりに呑みたいな」
ちらりと視線が投げられて、あの日の軽い約束が思い出される。
それでも、俺の目に映る本田さんはかなり疲れている。
多分俺でなくともそう見える。
「…今日は、疲れをとってほしいです」
「残念、高嶋くんに言われちゃったら休むしかないかー」
苦笑を漏らす本田さんは、今日はちゃんと休むね、と言って会社に戻っていった。
握っていたコーラを開けて、渇いた喉に流し込む。
しゅわりと弾ける炭酸の泡が、舌に残って痛いと思った。
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