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呑みに行きました
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「本田さん、いくらでしたかっ」
「秘密」
口元に指を立てて微笑む姿も絵になる…じゃなくてですね!
秘密じゃないですよねだって俺結構ジョッキ空けましたよ?
今日は呑みにいくからと歩いて出勤したので、本田さんの後をついて歩く。
家が近いってこういうときに便利だと思う。
田舎なもので電車はないのです。
「年下は奢られといた方が可愛いぞー」
また背中を向けられて、慌てて駆け寄った。
横に並んで、歩みを進める。
「俺のが呑んでたじゃないですか、だめです本田さん」
「いーの。俺のが給料もらってるしね」
店が建ち並ぶ通りから一歩離れれば閑静な住宅街だ。
本田さんを車で送ったときに止まった角を思い出す。
「本田さん!」
「しょうがないなぁー」
そんな言葉が聞こえて、鞄から財布を取り出そうとする。
すると足音が止まって、つられて本田さんを見やると。
「また一緒に行ってくれるっていうのでいいよ」
「え?」
「じゃ、俺こっちだから。気をつけて帰ってねー」
ひらひらと手を振り、前と同じように暗闇に消えてしまった。
お疲れ様ですも言えなかった。
本田さんの言葉の意味が理解………できたけど。
1人帰路につきながら、この借りはどうしようかと考えた。
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